ホテルスタッフに向いている人と聞くと、
「語学力が高い人」「容姿がいい人」「コミュニケーション力がある人」
などのイメージを持っている方が多いと思います。
しかし、実際のところどうなの?という疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで、都内の某有名シティーホテルに、正社員としてフレンチレストランスタッフ、宴会サービススタッフ、ウェディングプランナーとして
12年間勤めた著者がホテルスタッフに向いている人、向いていない人はどんな人かを紹介していきます。
ちなみに宴会サービススタッフとは、結婚式や企業の懇親会などの大規模な会場のセッティングを行ったり、料理や飲み物を提供するスタッフのことです。
ホテルスタッフの仕事が向いてる人の特徴
ではホテルスタッフの仕事が向いてる人の特徴を見ていきたいと思います。
人見知りすることなく話すことができる人
コミュニケーション力があり、初対面の人にも話しかけることができる人が向いています。
人見知りの友人は憧れだけで入社しましたが、お客様との会話が続かず、それがストレスとなり退職してしまいました。
逆に人と話すことが好きな人はそれが苦にならす、続けていけると思います。
人の喜ぶ顔を見るのが好き
どうやったら相手は喜んでくれるかな?ということを考えることができる人は向いています。
プロポーズや記念日など、ホテルはあらゆる用途で使用されます。
お客様の大切な思い出を一緒につくっていきたいという人は向いています。
協調性があり、チームワークを大切にできる人
ホテルは多くの部署と協力し合うチームプレーの場所です。チームワークを大切にできる人は向いています。
上司や先輩の言うことを受け入れつつ、自分の意見を発信できる人物を目指しましょう。
いくら自分が正しいと思っていても、経験豊富は先輩や上司には勝てません。
逆によく言われている語学力ですが、あるに越したことはないです。
外資系ホテルや空港に併設しているホテルのように、外国人がたくさんいらっしゃるようなところであれば、
英検2級以上、TOEIC600点以上などの資格が必要な場合がありますが、ほとんどのホテルは入社の際の資格は必要ありません。
容姿に関してもホテルの顔であるフロントやドアスタッフであれば、ある程度の・・とは思いますが、
容姿をもとに採用基準が変わるということは聞いたことがありません。
それよりも、すべてのホテルスタッフは身だしなみをきちんとすることを心がけて働いています。
金髪や爪が長いホテルスタッフなんて聞いたことがないですよね?
こちらではホテルフロントに特化して紹介していますので併せてチェックしてもらうと良いと思います。
ホテル(観光地)のフロントの仕事が向いてる人・向いてない人|約6年働いた経験から紹介
ホテルスタッフの仕事が向いていない人の特徴
次はホテルスタッフの仕事が向いていない人の特徴を見ていきたいと思います。
自分の思っていることが顔に出てしまう人
嫌なことや辛いことがあっても、お客様には笑顔で接しなければなりません。
ある意味、ホテルスタッフは笑顔という仮面をかぶらなくてはいけないのです。
無理難題を強いられても笑顔で対応する。これがホテルスタッフです。
現役時代のある先輩は、自分の親が亡くなった2日後にお得意様がいらっしゃるからと出勤し、
(強制ではなかった)接客にあたっていました。普段となにも変わらないサービスに脱帽したのを鮮明に覚えています。
ここまでしろとは言いませんが、人を心から喜ばせたいという気持ちを持つことが大切です。
性格がずぼらでめんどくさがりな人
人のために動くことができない人には向いていません。
相手を喜ばせるために一生懸命行動できる人は続けていけるでしょう。
体力に自信がない人
ホテルスタッフはどんな部署でも体力が必要な仕事です。
立ち仕事、変動的なシフト、夜勤(夜勤があるのはフロントのみのところが多い)、
休憩時間も日によってはあまりとれません。
目をつぶったらすぐ朝がきます。
体力があること、健康なことが基本です。
こちらではホテルフロントに特化して紹介していますので併せてチェックしてもらうと良いと思います。
ホテル(観光地)のフロントの仕事が向いてる人・向いてない人|約6年働いた経験から紹介
ホテルスタッフの仕事が続かないすぐに辞める人の特徴は
次はホテルスタッフの仕事が続かないすぐに辞める人の特徴を紹介していきたいと思います。
わがままで自分の意見を通そうとする人
新人は経験が浅いため、なんでも吸収して覚えるのがいいとされています。
例えばシェフで言うと、先輩よりも自分の料理の腕の方が上だと勘違いしている人や
自分の方ができると思って意見を言うわがままな人は、実際そうだとしてもそのうち仕事が面白くなくなっていくでしょう。
本来、お客様のために業務にあたるべきなのに、自分がラクをしたいがために仕事をする人はすぐ辞めていきました。
愚痴ばかり言う人
ホテルは激務で知られています。それに加え、時々お客様からお叱りを受けたりクレームを頂戴することも。
愚痴ばかりでストレスが溜まっていく人は、早々に辞めて異業種へ転職していきました。
離職率が全体の30%とも言われているホテル業界は常に人手不足で、人がいないがためにまたストレスが溜まる。
この繰り返しです。
ホテルスタッフの主な仕事内容
大規模なホテルは主に大きく5つの部門に分かれています。
・宿泊部
フロント(フロントに立ち、お客様のチェックインからチェックアウトまでの手続きを担当。
滞在中お客様が快適に過ごせるようにフォローする。宿泊予約を兼務するところも)
ベルアテンド(到着されたお客様の荷物を預かり、お部屋まで案内する。フロントが兼務することも)
ドアマン(ホテルや車のドアを開けたり、フロントまで案内する)
コンシェルジュ(お客様のあらゆる要望に応え、できる限り対応していく)
ハウスキーピング(客室清掃係、外部の会社に委託するところが多い)
・料飲部
レストランスタッフ(席までの案内、メニューの説明からオーダーテイクまで、あらゆる知識が必要となる)
バーテン/ソムリエ(バーやレストランでドリンクを作り、提供する。資格が必要)
・宴会部
宴会サービス(宴会場にて会場設営や料理、ドリンクの提供などのサービスを行う)
婚礼(いわゆるウェディングプランナー。結婚式を考えているゲストの希望をヒヤリングして理想の結婚式をつくる)
・管理、営業部
広報、企画(ホテルの魅力を宣伝する)
人事(人員配置や人材管理をして事業発展に貢献する)
施設管理(お客様が快適に過ごせるよう、空調や設備などを点検する)
営業(個人や団体、法人向けにホテルを使ってもらえるように販売促進をする)
・調理部
シェフ(レストランや宴会料理などのシェフに分かれる)
ベーカー(パンを製造し、ホテル内で提供したり外部販売する)
ペストリー(デザートの製造)
簡潔に書きましたが、こちらはあくまで私がいたホテルの部門であり、全てのホテルに当てはまるかは分かりません。
しかし、ほとんどのシティーホテルはこんな感じです。
新卒1年目は研修の後、ベルかレストラン、宴会サービススタッフに配属になり、現場を見て勉強するのが一般的です。
その後、適性や希望、経験を考慮した上で異動になります。
なお、それに伴って必要な資格もあります。
まとめ
ホテルスタッフの体験談から「ホテルスタッフの仕事が向いている人・向いていない人」をご紹介しました。
ここまで書くと「辛いことしかないじゃん!」「大変そうで自分にできるか不安」と思うかもしれませんが、
それ以上に得るものがたくさんありました。
仲間との絆、役職が上がり責任感が持てる仕事ができたこと、様々なコンクールや大会への出場、
そしてなによりお客様との大切な時間、「あなたがいてよかった」と言われたこと。
いきなり正社員になるのはちょっと・・・という方はアルバイトから始めてみてはいかがでしょうか。
憧れのホテルで働くのもいいと思います。
アルバイトを通し、ホテルの裏側を学ぶことで自分に合っているか知ることができます。
私自身、学生時代にホテルの宴会場でアルバイトを経験し、「ホテルってかっこいい!極めたい!自分は人と話すのが好きだし、
世話焼きだからきっと合ってるはず!」と思い上京しました。
実際入社して体力面で大変なこともありましたが、お客様の喜んでいる顔を間近で見ることのできるこの仕事に就けてとても嬉しかった
です。
向いているか、向いていないかというより、「相手を喜ばせたい」という気持ちがあればきっと素敵なホテルスタッフになることができます。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
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