自動車整備士という職業にはどんなイメージがありますか?
ネットが普及し、現役の整備士の方が自動車整備士はきつい、つらい、などネガティブなワードで紹介していて、不安になったと思います。
恐らく、この記事をご覧になっている方はこの職業に興味があり転職を考えている方もいらっしゃると思います。
私は、高校卒業後に某ディーラーに入社、国家二級自動車整備士を取得し、勤務していました。
毎日の残業と、早朝から深夜までと長い拘束時間。そして安い給料でその労力に見合っていないものでした。
自動車整備士はきついといわれているその理由を以下で紹介していきます。
自動車整備士の仕事はきついの?楽なの?
私自身の経験から自動車整備士は、きつい職業だと言えます。
ただ単に求められるものが多く、心身ともに楽ではありませんでした。
求められるものの中には、例えば自動車の点検の際、作業時間がきめられており、どの作業から行いどうすれば効率的に行えるのか、自身の動線を考え邪魔にならないようにする。
作業途中の説明において、ノルマで決められている商品も売らないといけない。
これらは氷山の一角で、社会人なら当たり前にこなせると考えますが、実際に行うとかなりきついです。
自動車整備士の仕事内容
自動車整備士の仕事内容は自動車の「修理」を思い浮かべると思いますが、基本は「点検」がメインです。
「車検」「12カ月点検」など他にも数種類あり頻繁に行っていました。
他にはエンジンオイル交換、タイヤ交換や洗車、部品交換などの修理と多岐に渡り、私は接客や作業後の精算業務、お車のお引渡しなども業務の1つです。
自動車整備士の仕事できつい・しんどいと思うところ
整備士はきついといわれていますが、どのようなことが辛いのか、私が経験した中で辛かったこと、聞いたことをお伝えします。
給料が安い
高校卒業後に自動車整備士という職業に就きましたが、当時の月の手取りは12~15万ほどでした。
一人暮らししていたのですが、家賃、光熱費などの必要な出費のみで手元に残るのは雀の涙ほど。使う暇がないほど忙しくはあり、僅かですが少しずつ貯まってはいたものの、良くも悪くも仕事量に見合ったものではありませんでした。
私の上司であった方は妻子を持っていたのですが30万弱と同世代の方と比べると少ないでしょう。
拘束時間が長い
上記で述べた通り、とても忙しかったのを覚えています。
朝は朝礼の1時間ほど前に出勤、それでも先輩方にはさらに早く来ている方もいらっしゃいました。仕事が終わり会社を出るのはだいたい10時頃と拘束時間がとにかく長く、肉体的にとても疲れます。
残業もほぼ、毎日あり、繁忙期には家に着くのは日が変わるころと、仕事の日は気分が落ち込んでいました。
周りの雰囲気
一つ一つの作業に時間が制限されているのですが、忙しいときはそれを守らなければ予定に遅れがでてしまうため、工場の中でなければ出来ない内容の仕事だと、先に工場に入れている方が遅れると周りも遅れるという事態になります。
そうなれば全員がイライラし、雰囲気はとても劣悪。予定通りに終わらせなければというプレッシャー、原因が自分ではなくとも気を遣わなければ八つ当たりを喰らうといった理不尽なこともありました。
月のノルマ
月毎に、売らなければならない商品が決められており、それにノルマが課せられています。
例えば、エンジンの中に入れる添加剤などが挙げられ、時間が迫っているときにその商品の説明をし、売らなければならない。
また、ノルマを達成できなかったとなれば、叱られるといったこともありました。
自動車整備士の仕事をして良かったと思うところ
きつい・しんどいと思った経験をお話させていただきましたが、一方でよかったと思うこともありました。
自分で車を直すことができる
もちろん仕事柄、当然のように自身の車を修理することが出来ます。
お店でやってもらうと、工賃がかかったり、部品代など結構な金額がかかってしまうと思いますが、自身で行う以上工賃はかからず、部品も自身で探したりと破格の金額で修理、交換が可能になります。
車を安く買うことができる
そのお店が車両販売も行っている場合、社割でかなり安く買うことができるでしょう。
普通に買えばかなりかかりますが、中古車は自身で作業を行えば工賃などもかからず、とても安く買うことができ、運が良ければ余っているナビなども貰えとても費用を抑えることができます。
自動車整備士の仕事はやめておいた方がいい人
マイペースに仕事がしたい方
時間に沿って作業を進めていくので、自身のペースでの進行は出来ません。周りの人の進行状況や混み具合など、自分のペースで仕事を進めていくのは厳しいためです。
お金をとにかく稼ぎたい方
残業が多いなら月の手取りは高いのかもと考えた方もいらっしゃるかと思います。
しかし、給料が安く、何よりもサービス残業があるためおすすめできません
メンタルが弱い人
忙しい時期、時間などに追われ雰囲気がとても悪い時など、頼み事も頼みにくいといった場面が出てくると思います。
心身ともに疲れてしまい、正常な判断に支障がでる可能性があるためやめた方が無難だと考えています。
ただ車が好きな人
ただ車が好きで興味がある、というだけでもおすすめ出来ません。
実際は点検や軽作業からなり、月のノルマやプライベートの時間の確保などイメージとのギャップが生まれるかもしれません。
趣味を仕事に出来るのは素敵なことではありますが、車が好きという理由だけで自動車整備士になるのはおすすめできません。
自動車整備士の仕事はこういった人におすすめ
反対にどういった方におすすめできるのかをご紹介いたします。
体力がある人
ほぼ毎日の残業や重労働や力仕事もあるため、かなり疲労が溜まってしまうと思います。
体力がないと続けるのは厳しいです。
物を直すのが好きな人
言ってしまえば自動車も物です。
初めのうちはイメージしている交換や修理はありませんが、キャリアを積めば簡単なものから交換などさせてくれるところがほとんどだと思います。
そういったのが好きだ!という方には向いている職業です。
責任感のある人
自動車は間接的にではありますが、お客様の命を乗せている、預かっているとも言えます。
適当に作業をすれば、大事故に繋がってしまう恐れがあるため、適当に済ましてしまうのではなく、責任を持ち取り組める方は向いていると思います。
まとめ
自動車整備士というと主にかっこいいというイメージがある方がほとんどだと思います。
しかし、整備士の不足や離職率が高いといった深刻な問題を抱えています。
そういった背景には必ず理由があり、改善されない限りは他の職業の方が賢明と言えるでしょう。
コメント