「美容看護師に憧れているけど、向いているのかわからない」という人、多いのではないでしょうか。
ここ数年で美容医療はとても身近なものになり、「美容看護師」という職業の存在もよく知られるようになりました。
美容看護師に転職してみたい、新卒で美容看護師になりたいと思っている人も少なくないはずです。
しかし、病棟や一般的なクリニックとは仕事内容や求められる姿は全くと言っていいほど違う職業…
美容看護師に向いている人、向いていない人はどんな人なのかよくわからない、就職して向いていなかったらどうしよう？というお悩みもよく耳にします。
美容看護師といっても、働く職場によって仕事内容はかなり異なります。
美容クリニックは大きく「美容外科」「美容皮膚科」「脱毛クリニック」の３つに分類されます。
美容外科は、美容整形のオペを中心に、外科以外にも脱毛や美容皮膚科の施術も行っているところが多いです。
美容皮膚科は脱毛だけでなく、シミ取りのレーザーやたるみ治療、肌質改善の施術などを行っています。
脱毛クリニックは、その名前の通り脱毛をメインで行っており、他の施術を取り扱っているところは少ないです。
今回は、実際に美容皮膚科の看護師として脱毛やシミ取り、ハイフ、ダーマペンなどの施術を行っている筆者が「美容看護師に向いている人、向いていない人」についてお伝えします。
職場選びに迷っている看護師さん、看護学生さんの職場選びのお手伝いができれば幸いです。
美容看護師に向いている人の特徴
まずは、美容看護師に向いている人の特徴をお伝えします。
・美容が好きな人
当たり前のことかもしれませんが、美容が好きであることはとても大切です。
美容クリニックに来る患者様のほとんどは美容意識が高く、施術以外のことを質問されることも多いあります。
美容が好きで、美容に関する情報収集が苦にならない方は楽しんで働くことができると思います。
また、美容クリニックの採用面接では「施術を受けた経験があるか」聞かれることもあります。
施術の経験がないと採用されない、というわけではありませんが、実際に私の職場でも自分で施術を受けるくらい美容が好き！という人が多いです。
・接客に自信のある人
美容クリニックでは、一般的な病院とは違い自由診療になります。
高い費用を払っている患者さんたちは、施術以外にも質の高いサービスを求めている方が多いです。
そのため、患者さんというよりはお客様というイメージが近くなります。
病棟では患者さんとの信頼関係の構築に重点を置く場合が多く、言葉遣いや所作について細かく注意されることは少ないですよね。
しかし美容クリニックでは接客・接遇についての研修を行う場合もあり、高いレベルの接客力を求められます。
わたし自身も接遇について、丁寧な言葉遣いや声のトーン、お辞儀の角度など詳しく研修を受けました。
患者さんとの関わり方、接客力に自信のある方は美容クリニックでは即戦力になれます！
・仕事の速い人
美容看護師、というとなんだかおしゃれで優雅なイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、実際の美容クリニックでの看護師の仕事はかなり忙しいです。
脱毛、レーザー治療、ハイフ、外科であればオペ介助など…、施術から施術へと勤務時間中は常に時間に追われています。
そんなこと言っても病棟での仕事もすごく忙しいから大丈夫でしょ！と思うかもしれませんが、病棟と美容クリニックでは忙しさの種類が少し違います。
様々なアクシデントで時間が押してしまっても次の患者さんの施術時間を変えることはできないため、美容看護師には限られた時間の枠の中で仕事をこなすことのできる能力、スピーディーさが求められます。
逆を言えば、病棟のように仕事が忙しくて終わらず残業をすることはあまりありません。
勤務時間中はかなり忙しいですが、オペのないクリニックの場合残業はほぼなく、プライベートの時間をしっかり確保することができます。
美容が好きでテキパキ働ける方、丁寧な言葉をスムーズに使える方は、ストレスなく楽しんで働くことができると思います。
美容看護師に向いていない人の特徴
次に、美容看護師に向いていない人の特徴をお伝えします。
・ルーチンワークが苦手な人
職場によって程度は異なりますが、特に美容皮膚科や脱毛クリニックでは仕事内容がルーチン化しやすいです。
飽きっぽい方の場合、イレギュラーが少なく同じ施術を繰り返す仕事内容が苦痛になってしまうかもしれません。
わたしの職場にも、実際に働いてみたら病棟でバリバリ急変対応などをしているほうが自分に合っていたことに気付いたという人も少なからずいます。
病棟ならではでの仕事内容に楽しさを感じている方にとっては、単調でつまらなく感じてしまうこともあるので注意が必要です。
・自分のペースで働きたい人
先ほどもお伝えしましたが、美容看護師の仕事は常に時間とのたたかいです。
仕事内容的にどんなに忙しくても終わらなかった仕事を残業にまわすことはできないので、勤務時間中はとにかくスピーディーに働かなくてはなりません。
こだわりが強く自分のペースを乱されたくない方や、時間がかかっても丁寧に仕事をしたい方の場合はかなりストレスが溜まってしまうと思います。
・看護技術が好きな人
美容外科ではルートキープなどの手技を求められることもありますが、病棟に比べて機会は減ってしまいます。
ルートキープや採血など、看護技術が好きでやりがいを感じている方、スキルを活かしたいという方にとっては物足りなく感じてしまうかもしれません。
・自由に休みを取りたい人
接客業に近い美容クリニックのほとんどは土日ともに営業していることがほとんどです。
シフト勤務の場合でも、来院する患者さんの多い土日や祝日は頻繁に休めないことが多いでしょう。
病棟に比べると自由に休みをとることは難しい場合が多く、家族や友だちと休みが合わなくなってしまうこともあるので、クリニックの営業日や土日に休みがとれるのかは確認する必要があります。
美容看護師はこんな人におすすめ
最後に、美容看護師はどんな人におすすめかをお伝えします。美容看護師という仕事のイメージが少しでも具体的になり、自分に向いているかどうかを考えるお手伝いができればと思います。
・美容が好き、綺麗になりたい人
先ほどもお伝えした通り、美容看護師として働くうえでは美容に関する広い知識を求められます。
新しい知識を学んだり、自分自身でも施術を受けることが好きな方は、趣味を仕事に活かして活躍することができるでしょう。
また美容クリニックには、扱っている施術を無料や格安の値段で受けることができるという福利厚生がある場合も多いです。
わたし自身もレーザー治療やハイフの施術を受け「ここのシミ薄くなったよね？」「ほうれい線のたるみがすっきりした！」など効果を同僚と話し合ったりしています。
施術を受けたときの痛みの感じ方や効果の実感を、自らの経験を通して患者さんに伝えることができるメリットもありますが、何より綺麗になりながら働くことができるのは嬉しいですよね。
・オンオフをしっかり切り替えて働きたい人
美容外科の場合はオペが長引くこともありますが、病棟にくらべ美容クリニックは残業がかなり少ないです。
開院時間も10時前後のクリニックが多く、病棟では当たり前になっている情報収集のための前残業も不要のため、朝の時間にも余裕を持てるようになります。
勤務時間中は時間に追われて忙しいですが、オンオフをしっかりわけてプライベートの時間を確保することができます。
わたし自身も病棟勤務から美容クリニックに転職したことで家事や趣味に時間を割けるようになりましたし、夜勤がなくなったことで身体的にも精神的にもとても楽になりました。
残業が多く仕事が終わって家に帰るとヘトヘトで何もできなくなってしまう方や夜勤が辛い方にも、美容クリニックでの仕事はおすすめできます。
・手先が器用、細かい作業が好きで職人気質の人
美容クリニックの仕事はルーチンワークになりやすいとお伝えしましたが、同じ施術を毎日繰り返す中でも細かい部分までこだわって技術を向上していくことができればとてもやりがいのある仕事です。
自分の施術で患者さんを喜ばせることができるところもこの仕事の魅力です。
より効果を感じてもらったり、痛みを軽減したりするための技術を磨くことや、患者さん一人一人の悩みや要望に寄り添った施術を行うことに楽しみを見出せる職人気質の方であればルーチンワークに飽きてしまうことはないでしょう。
まとめ
美容看護師に向いている人と向いていない人の特徴、またどんな人におすすめかを伝えさせていただきました。
いかがでしょうか？美容看護師という職業になんとなく憧れているという方は多いと思いますが、実際に働いてみたら想像していた仕事内容とのギャップが大きかったという人もいます。
この記事を通じて美容看護師の仕事への理解が少しでも深まり、転職への手助けとなればうれしいです。
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