「保育士ってきつい仕事」とよく耳にしませんか?
私は実際に5年ほど正規保育士として働いていました。
正直、仕事内容としては、決して楽な仕事ではないかと私は考えます。
きっと保育士の仕事を知らない人は、
「子どもと遊んでいるだけで楽そう」と思われる方もいるでしょう。
実は、遊んでいるだけではないんです。
では、「保育士はなぜきついのか」私の経験から紹介します。
保育士の仕事はきついの?楽なの?
保育士はきつい仕事です。
きっと保育士として働いたことのある方は、口をそろえて「きつい」と答えるはずです。
私が保育士として関わってきた先生や大学の友達は、誰一人として「楽」だと言っている人はいません。
会うたびにクラスの相談や進め方等悩んでいることを口に出すほどです。
それでは、なぜ続ける人がいるのだろうという疑問が生まれてきますよね。
これからきついだけではないことをお伝えしていきます。
保育士の仕事がきついと思うところ
私が実際5年間働いてみて感じた保育士のきついところです。私以外の人も同じように考えていると思います。
・責任を求められるところ
当たり前ですが、命を預かっています。命を預かるということは決して容易なことではないことです。
・コミュニケーションを取る相手が複数いること
保育士は、子ども・保護者・クラスの先生・主任・所長など相手が様々です。
そして、子どもは一人ひとり違うため同じ声のかけ方では、話を聞いてくれないことも多くあり、その子にあった対応が求められます。
・小学校などと同じようにカリキュラムを立てなければいけないとこと
保育所は、子どもにとって初めての「社会」となります。
人との関係の築き方、道路の歩き方、挨拶の仕方はもちろん、食具の使い方、手先の動かし方など、いろいろな観点から子どもが成長できるように毎日カリキュラムに沿って目標を立てなければなりません。
・女社会であること
ほかの職業に比べて圧倒的に女性が多い職場です。
上下関係が厳しいのは当たり前ですし、関係が悪くなるといじめのようなこともよく起こります。
・給料が安いところ
これは社会で言われていることですので、知っている方が多いと思いますが本当に給料が安いです。命を預かっているのにと給料日が来るといつも思っていました。
・サービス残業は当たり前というところ
保育士の勤務は、9時から17時30分を普通番(早い時間の早番、遅い時間の遅番もあります)としているところが多いです。
17時30分というのは、子どものお迎えのピーク時間です。
自分のクラスの子どもや保護者がいたらその日あった出来事を話すことは、当たり前です。自分の勤務時間が終わったからと言って、保護者を無視するわけにはいきません。
実際私が一番きつかったことは、子どもが病院に行くような大きな怪我をしてしまったことです。
2歳児の担任をだった時に体の大きい子が折り畳みテーブルに手をつき、テーブルの角で目の横を切ってしまったことがあります。
病院に行き、何針も縫うことになりました。
「一生残ってしまう傷になってしまったら」「もし目の横ではなく、目だったら」と思うと本当に怖かったです。
私が押した、ぶつかったではなくその子がたまたま手をつき、バランスを崩しただけですが、書類上はその場にいた私が「加害者」のところに名前を書かなくてはならないのです。
精神的にもかなりきつかったことを今でも覚えています。
保育士の楽だと思うところ
正直あまり楽だと思ったことはありませんが、強いて言うならというところをあげてみます。
・お弁当を作らなくても栄養満点の給食が食べられるところ
バランスの取れた食事を心がけることはとても難しいことですが、栄養士が子どもの栄養を考えて作っているので栄養満点です。
・0歳児担任だと、座っていることが多い
赤ちゃんがハイハイしている頃は、近くで見守ったり、声をかけることが多いため座っていることが多いです。
本当に楽なところがあまりない仕事ではありますが、給食は本当においしいです。
私は苦手な食べ物などはないためあまり苦に感じたことはないですが、苦手なものがあると大変かもしれないです。子どもと一緒に食べることもあるので残すことができず苦労するといったこともあるそうです。
本当に食べれないときはばれないように、ティッシュに包むそうです。
保育士の仕事をしてよかったと思うところ
保育士の仕事はきついけど、やる人が多いというのにはここが一番関係しているかと思います。
きついけどとても良い仕事です。
・子どもの成長を身近で感じ、感動できる。
子どもというのは、毎日成長していきます。
昨日できなかったことが今日できるということはよくあることです。
できたことを喜ぶ子どもの顔を見ると保育士って良い仕事だなと感じます。
・保護者に感謝されるところ
保護者は仕事で世話をすることができないため保育所に預けます。
今日はこんなことを頑張りましたと伝えるだけで「今日もありがとうございます」と伝えてくれます。
感謝されると嬉しいですし、やってよかったと思います。
・コミュニケーション能力が身につくところ
保育士は、周りとのコミュニケーションが欠かせない職業です。
0~2歳までの担任は一人ではなく複数でなければいけないことが国で定められています。担任同士で話し合って、カリキュラムを立てていくため、自然と身についていきます。
・人のいいところを見つけることができる目が養われる。
子どもは個性の塊です。
いいところ、もう少し伸ばしてあげたいところなどいろいろなところが見えてきます。
それは子どもだけでなく私生活でも役立つスキルだと思います。
・子どもを育てるときに参考になる
子どもを見る経験があまりないと子育てするときに難しいと感じることもあるかと思います。
その点保育士をしていると日常的に子どもと関わっているため、子育てでも不安になることはあまりないです。
運動会、卒業式と子どもの成長を保護者と一緒に喜べる機会には、保護者と一緒に涙するほど感動します。
子どもと関わる仕事をしてよかった、保育士になってよかったと心から思います。
保育士の仕事をやめておいたほうがいい人
初めは難しかったとしても、子どもに愛情をもって接することができれば徐々に慣れていくことだと思いますが、その中でもやめておいたほうがいい人はこんな人です。
・子ども同士を比べて貶す人
比べることは悪いこと自体は悪いことではありません。
しかし子どもは成長段階であり、同じ歳の子どもでもできる子、できない子がいます。
できないことを貶すのではなく、できないからどう援助してあげたらよいか考えられないといけません。
・汚い言葉遣いをする人
1~2歳は、言葉の吸収が早くどんな言葉も覚えてしまいます。
いい言葉、悪い言葉がわからずに使ってしまうのが子どもです。
大人同士の会話でさえ、子どもは聞いていて真似してしまいます。
・相手の気持ちを考えられない人
・子どもは、自分の気持ちを言葉で伝えることを勉強しているところです。
気持ちを伝えられずにお友達を叩いてしまったなどよくある話です。
叩いてしまったという事実を掘り下げて「なんで叩いてしまったのか」を考えられなければいけません。
人の気持ちを考えられずに言うことを聞かないと頭ごなしに怒る保育士が1園に1人ほどいます。
子どもは今日の出来事をその日に保護者に話すことが多いです。
怒られたと子どもが言えば保護者は不安になりますよね。そういう先生は、クレームにクレームが重なって、やめてしまうことが多いです。
保育士の仕事はこういった人におすすめ
・愛情を持てる人
子どもは大人からの愛情を受けて、自分の自己肯定感を保ち、それが大きく成長してからの性格になることが多いです。
愛情不足で育った子は将来的に自己肯定感が低くなりがちです。
保護者が仕事の間愛情をかけられるのは保育士しかいません。
たくさんの愛情を持てる人は保育士に一番向いていると思います。
・人を観察することが好きな人
保育士は、子どもの興味や好きなことに敏感でなければなりません。
興味のあることはもっと伸ばしてあげられるように保育士が環境を整えたり、経験できるように促します。
人を観察する事が好きな人は、どのスキルを活かすことができます。
・手先が器用な人
保育所、幼稚園ともに製作や行事の準備等があります。
画用紙、布、段ボールなど様々な素材を扱って保育士が作ることが多いです。
クオリティは園によって違いますが、器用な人のほうが仕事が早く進むと思います。
私は手先が器用なほうなので、行事の時は製作関係の係に抜擢されることが多く、保護者からとても喜んでもらった経験があります。
クリスマス会のプログラムを作ったときは、サンタさんの服を着た子どもがスノードームに入っていて、キラキラしたラメや雪の結晶が動くものを作りました。
保護者にとても喜んでもらい、きれいに飾ってありますと言われました。
とてもうれしかったです。
器用でなければいけないわけではありませんが器用なほうがいいと思います。
まとめ
保育士は、楽な仕事ではありません。
しかし、それ以上に幸せな仕事です。
私は保育士になって、たくさんの子どもと関わり、たくさんの幸せと感動をもらいました。
ここできついと伝えてきたのは、楽だと思っていて初めてみたらきついから辞めるということは、子どもがかわいそうだからです。
きついかもしれないけど幸せな仕事。
それが保育士です。
ここまで読んでくれた方はきっと素敵な保育士になれると思います。
応援しています。
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