私は、以前6年間ほど観光地のホテルで正社員として勤務していました。
担当していたのはフロントで、予約管理、チェックイン・チェックアウト、宿泊のお客様対応が主な仕事内容です。
私が働いていたホテルの場合は、何かあればとりあえずはフロントに相談するようになっていたため、仕事中はかなり緊張していて慣れるまで精神的にきつかった記憶があります。
勤務時間が不規則たっだり苦情対応がきついということは覚悟していましたが、実際は多種多様なトラブルが起こるので、毎日あっという間でした。
ホテルのフロントの仕事はきついの?楽なの?
きついのか楽なのかは、正直なところきついかなと思います。
観光用・ビジネス用・外国人向けなど様々な種類のホテルがあり、さらに場所や季節やイベントにも左右される職場なので、きつい、つらいと感じることもホテルの数だけあります。
もちろん何をきついと感じるかは人それぞれなので、これからホテルのフロントの仕事に就こうか検討している方は、どんな環境なら自分が働きやすいかじっくり考えておくといいかもしれません。
ホテルのフロントの仕事内容
次に、ホテルのフロントの仕事内容についてご紹介していきます。
・予約管理
電話予約・WEB予約・旅行代理店からの予約の受付です。
ホテルによってはフロントとは別に予約課があったりもするのですが、私が働いていたホテルでは宿泊・レストラン利用の予約管理は全てフロントの業務でした。
・チェックイン・チェックアウト
チェックインではお客様に簡単なご説明をして、チェックアウトでは清算をします。
・宿泊のお客様対応
ルームサービス、マッサージ利用の手続き、各種苦情の対応です。
・外来温泉・レストラン受付
温泉施設やランチ営業がある場合はその受付業務もフロントになることが多いです。
・夜勤対応
次の日の宿泊準備や温泉管理をやっていました。
こちらもホテルによっては夜勤専門・温泉専門のスタッフがいる場合もあります。
ホテルのフロントの仕事できつい・しんどいと思うところ
では具体的にどんなところできついと感じたかご紹介していきます。
ホテル内すべての苦情が入ってくる
苦情対応のきつさは周知のとおりです。
レストラン・客室清掃について・温泉の温度・館内施設の不備についてなど、いったんは全てフロントに連絡がくるためその都度謝罪と対応に追われます。
また、他の部署への苦情があった場合にスタッフ側にも言い分があったりすると、間に入って話をまとめるのも一苦労でした。
季節・イベントなどに影響されることがたくさんある
私が働いていたホテルは山の中にあったため、冬は雪に覆われ夏は虫が大量発生していました。
客室も含めた館内いたるところでカメムシが大量発生した時は苦情も大量発生しました。
ホテルによってはイベントによる渋滞対応や、災害被害が多いところもあると思います。
他部署との連携が大変
フロントはお客様からの要望を各部署に手配する必要があります。
難しいことをお願いすることも多いので、疲れていても感じ良くし、普段からコミュニケーションにかなり気を使っていました。
料理場関係は職人気質な方も多く、大変でした。
完全なマニュアルが無い
お客様によって、場合によって、全く違う対応をする必要があります。その都度臨機応変に動かないといけないので、判断に困る場面がたくさんありました。
ホテルのフロントの仕事が楽だと思うところ
つらいことばかりでなく、楽なところももちろんあります。
個人の売り上げノルマは全くない
販売業や営業職のように、お客様に何かを勧めて成績をださないといけない、ということは一切ありません。
夜勤の時にまとめて仕事を進められる
夜勤の日は、夜間にお客様が寝静まった頃、誰の監視の目もなく自分のペースで残った仕事を進めていました。
力仕事はほとんど無い
ホテルのフロントは、基本的にはフロントカウンターや事務所から動きません。
風邪気味の時や腰を痛めた時などはありがたかったです。
ホテルのフロントの仕事をして良かったと思うところ
良かったと思うことでよく聞くのは接客関連ですが、仕事のスキルや知識の面でも良いところはたくさんあります。
言葉遣いや立ち居振る舞いを学べる
フロントはホテルの顔と言われています。常にお客様から見られていることを意識していたので、言葉遣いや立ち居振る舞いは自然と丁寧になっていきました。
土地に詳しくなる
観光案内や交通案内も仕事の内なので、普通に生活していたら知らない情報もたくさん知ることができます。
タイピングが速くなる
予約の登録やメール返信作業などで自然とタイピングが得意になりました。
ExcelやWordを使う機会も意外にたくさんあります。
電話対応が得意になる
フロント業務の半分は占めていると思うくらい電話対応が多く、電話に対する苦手意識は一切無くなります。電話対応の知識は、全く違う職種に転職した時も非常に役に立ちました。
ホテルのフロントの仕事はやめておいた方がいい人
一緒に働いていると、この人はフロント業務を大分ストレスに感じているなと分かる人もいました。
自分のペースで仕事を進めたい人
ホテルのフロントの仕事は、接客業の合間に事務作業をするような流れです。各自担当している作業があっても基本はお客様第一なので、自分の計画したとおりに作業を進められることはほぼありません。
規則正しい生活をしたい人
混雑状況で出勤時間も退勤時間も左右されやすいうえに完全シフト制が多いので、生活リズムは崩れやすいと思います。
謝りたくない人
他部署のことでも、苦情があれば説明や謝罪をする必要があります。それも給料の内だと割り切れない人にはおすすめできません。
ホテルのフロントの仕事はこういった人におすすめ
次に、どういった人におすすめか、経験をもとにお伝えしていきます。
コミュニケーションが苦ではない人
お客様だけではなく、スタッフとも積極的にコミュニケーションが取れる人は、フロントの仕事をより進めやすくできます。
ミスやトラブルがあってもすぐ切り替えられる人
思いがけないところでトラブルが起こることがよくあります。ミスしないことにこだわり過ぎず、その都度落ち着いて対応策を考えられる人が向いていると思います。
人の顔を覚えることが得意な人
リーピーターさんや外出中の方の顔を覚えていると、お客様にとても喜んでもらえます。
苦手でもそこまで困ることはありませんが、得意な人は楽しく働けると思います。
まとめ
ホテルのフロントの仕事はきついのかどうか、自分の経験を思い返してみると、やっぱりきつかったなと思います。
イレギュラーの多い仕事に加え、細々した事務作業もたくさんあります。
ただ、その分スタッフとの一体感も高まりますし、お客様に満足していただけた時は安心感と達成感でいっぱいでした。
接客が好きな人はもちろんですが、苦手な人でもやりがいを感じられることがたくさんある仕事です。
コメント