社会人になって医療事務の資格を取り、パートとしてクリニックに働くようになって感じたことがあります。
未経験の頃はわからないことだらけできついこともあれば、来院数がそう多くなかったので慣れれば楽だ、ということもありました。
これなら資格を役に立てて楽に働けるのでは、と考えていたのですが、そういうわけではありませんでした。
医療事務とは、ただ診療報酬に則って事務処理をするだけではないのです。
もちろんレセコン入力や電子カルテ、レセプトといった医療事務に関する仕事はあります。
ですがそれ以外にも、たくさんの仕事があるのです。
結局医療事務の仕事はきついの楽なの? と疑問を持つ方もいるでしょう。
今回は医療事務の経験をもとに、仕事がきついのか楽なのか、例を挙げてみていきます。
医療事務の仕事はきついの楽なの?
医療事務の仕事は、はっきり言ってしまえばきついです。
病院、クリニックの雰囲気や来院数にもよりますが、やらなければならない仕事が多いのです。
患者の来院数が多ければ、当然処理する数も増えます。予約制のクリニックであっても、予約の変更やキャンセルなどに対応しなければなりません。
またどんなに忙しくても患者の対応、電話の対応をしなくてはならないのです。
忙しい中、電話に手を取られてしまうことも少なくありません。
また、病院やクリニックの人間関係にも注意が必要です。
医療事務は女性がほとんどです。女性ばかりの職場での人間関係は、場合によってはきついものがあります。
トラブルの原因にもなりかねません。
医療事務の仕事内容
医療事務の仕事を、おおまかに挙げていきます。
・受付
来院した患者の対応、カルテ作成
・電話対応
問い合わせや予約の変更などの対応
・会計
診察が終わった患者の会計処理、診療終了後の清算
・レセプト業務
レセプトチェック、請求作業
・その他事務全般
書類の整理、小口や会計書類などの処理
ほとんどが診療に関わる仕事ですが、診療に関わらない仕事もいくつかあります。
医療事務はその名の通り、一般事務と医療関係の事務仕事が合わさったもの、と考えるとわかりやすいですね。
医療事務の仕事できつい・しんどいと思うところ
医療事務の仕事できつい、しんどいと思うところを挙げていきます。
患者数が多いと忙しく、座る余裕もない
患者がひっきりなしに来院するような病院やクリニックの場合、座る暇もないほど忙しく走り回っていることがあります。
クリニックによっては患者数が極端に少なく、暇だという場合もあります。
また予約制であればそう忙しくないのでは、と思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。予約のキャンセルや取り直し、急患が入ることがあるからです。
病院の場合は外来受付はかなり忙しく、きついと言っていいでしょう。
覚えることが多い
レセコンや電子カルテの使い方、保険証、マイナ保険証、算定条件など、とにかく覚えることがたくさんあります。
電子カルテで医師もしくはクラークが入力したものを処理する場合は、そう難しくはありません。
ですがレセコンの場合、医師の書いたカルテを元に自分で算定しなければならないのです。知識がなければ算定ミスが増え、損害を出してしまいます。
ミスをしてしまった時の罪悪感は、かなりきついです。
患者が多ければ多いほど、残業が増える
受付の場合、患者が一人でも残っていれば帰ることができません。帰宅時間が毎日遅い、なんてこともあります。
受付時間が終了しても飛び込みで入ってくる患者もいます。
クレーマー患者
態度が悪い、暴言を吐く、無茶な要求をしてくる患者は一定数います。そういった患者の相手はかなりきついです。
理不尽に怒鳴られたり、こちらは悪くなくても仕事ですので、きちんとした対応をしなければなりません。
精神的にかなり参ってしまうこともあります。
このように、仕事内容に関わらず、医療事務にはきつい、しんどいと思うことが多々あります。
これだけ見れば、医療事務はきつくてしんどいだけの仕事なのか……と感じてしまうかもしれませんね。
医療事務として働いて楽だと思うところ
では次に、楽だと思う医療事務の仕事を挙げていきます。
患者数が少ない
患者来院数が少ないクリニックは落ち着いていて、余裕があります。雑用を片付ける時間もできますね。
暇すぎて仕事がない、という場合もありますが、落ち着いた気持ちで仕事ができて楽に感じられます。
レセプト担当者がいる
レセプトチェック等をしてくれるスタッフがいれば、医療事務でもレセプト業務をしなくても構いません。
病院はレセプト業務をする部署がありますが、クリニックはそれぞれやり方が違います。
全員でやるところもあれば、担当者がやるところもあります。現在は後者の方が多いのではないでしょうか。
祝日は休み
日曜に診療をしているところもありますが、クリニックの場合は大抵が祝日は休診日です。
病院の場合は出勤が必要なところもあります。
しかし個人経営のクリニックはそのほとんどがお休みですよ。
このように、医療事務をしていて楽だと感じることもあります。
きついことよりは少ないですが、それだけではないのです。
実際に働いてみたいとわかりませんが、自分に合ったペースのクリニックや病院を探すといいでしょう。
医療事務の仕事は未経験だときついの?
最後に、医療事務の資格は取ったけど経験がない……もしくは資格もなく未経験だときついのか、見ていきましょう。
資格があっても経験がなければきつい
経験者を優遇する病院やクリニックがほとんどです。
未経験の場合、いちからのスタートになり、いざという時に資格を役に立てられるかどうか自分次第になります。
資格もなく未経験だとかなりきつい
資格と経験がなければ、ゼロからのスタートになります。
保険証や診療内容、レセコンや電子カルテの使い方などはもちろん、専門的な知識も仕事をしながら身につけていく必要があります。
教える側もきつい
知識のない新人を育てるのは大変です。覚えが悪いと、この先働かせていいものか……となってしまいます。
未経験の場合、しっかりと勉強をして仕事を覚えなければ、医療事務の仕事を続けることはかなり厳しいでしょう。
人手が足りないから、と未経験でも雇うクリニックもあります。
その場合は注意が必要です。人手が足りていない理由によっては、ブラックなんてことも……。
未経験では職場を選ぶことが難しいかもしれませんが、忙しくて教えてもらえる時間もなく、できることがないということもあります。
未経験の人にとって、最初のうちは医療事務の仕事はきついものと考えていいでしょう。
まとめ
医療事務の仕事はきついのか楽なのか。
病院やクリニックによって様々ですが、きつい面もあれば楽な面もある、というのが結論です。
圧倒的に仕事がきつい面の方が多いですが、運が良ければ仕事が楽なクリニックに勤めることができるかもしれません。
面接時には患者数など、しっかり確認しておきましょう。
きついだけの仕事はあれど、楽なだけの仕事はありません。医療事務も同じなのです。
きついならやめておこうなどと考えずに、やってみたいと思う人は、是非チャレンジしてみてくださいね。
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