「助産師って毎日赤ちゃんが生まれる場所で働いていて、幸せそう」そんなキラキラした世界をイメージされることの多い助産師。
でもきついこと、大変なことってないの?実際どうなの?と、思いますよね。
年間1000件近く分娩を取り扱っている総合病院で働いた経験をもとに、助産師のきついこと、大変なことについて紹介していきたいと思います。
助産師はきついし大変なこととは
まず、助産師の仕事は体力と気力勝負!といっても過言ではありません。
では実際にどんなことがきつくて大変かご紹介しますね。
超急性期の現場
赤ちゃんが生まれてかわいい〜、幸せな現場に思われがちですが、実は超急性期。
いつ赤ちゃんの心拍が落ちるかわからない、産後の出血がとまらない、ぐったりした赤ちゃんが生まれた、搬送がある、といったように、かなり忙しく展開がよめない現場でもあります。
そのため、いつでも急変した際に対応できるよう、緊急下の中常に緊張感を持ち続けなければならないことに大変さを感じるかもしれません。
悲しい出来事もある
妊娠や出産はだれもが無事に産まれてくるわけではありません。
妊娠の途中で流産する、お腹の中で赤ちゃんが亡くなっている、生まれたあとに赤ちゃんや母が急変する、そんな悲しい出来事も起こります。
そんな悲しみに寄り添い、ケアするのも助産師の仕事です。
そして、そういった悲しみが重なることもあります。
悲しさをすべて引き受けてしまうと、自分が苦しくなってしまうので、自分の中で気持ちを整理することも必要です。
忙しさに波がある
慢性期の診療科とは違って、とくにお産の現場は予測が難しいといった特徴があります。
忙しいとトイレに行く時間もない!座って記録なんてできない!次の勤務者が来てからやっと座って記録できるなんてことも。
休憩時間も確保できないこともあります。
かなりの体力勝負な現場です。
安全で的確な助産診断が求められる
正常な分娩は助産師で取り扱うことができますが、判断を誤ると母子ともに生命の危険が伴う場合もあります。
そのため、正常な経過をたどっているか、正常な経過をたどるためにはどのようにすればよいかを常にアセスメントし、異常に転じた場合には迅速な判断や対応をとる必要があります。
責任の重大さに大変さを感じることもあるかもしれません。
助産師の仕事がきついし大変なときの対策
仕事がきつくて、大変すぎて、もう心もからだもへとへと···なことがほとんどですが、そんなときにどうやって乗り越えていたのかをご紹介します。
休みの日は、とことん休む!
オンとオフの切り替えはかなり大切。
自分にとってのリフレッシュを見つけて、休みの日は、仕事のことを考えません!しっかり寝る、遊ぶ。
休みの日は自分の充電時間にしています。
自分にご褒美を
がんばった自分にご褒美をあげて、労います。
美味しいものを食べる、好きなものを買う。
私は外食してカフェでゆったりしたり、飲みに行ったりすることが好きなので外に出ることが多いです。
また、自分を労うことで、次の仕事のときのモチベーションにもなります。
もらった手紙や写真を見返す
関わった褥婦さんから、お礼の手紙をもらうことも多く、やりがいや喜びを感じる仕事でもあります。
自分のケアをフィードバックされるのは、何度経験しても嬉しいものです。
初心にかえりたいときもそうですが、読み返すことで、また頑張ろうと思わせてくれます。
大丈夫、頑張れる、そんなおまじないの言葉を自分にかけています。
リアルにきついし大変だった体験談
大変な場面をいくつか挙げましたが、実際どんなことがあったの!?と思いますよね。
私がこれは辛かった・・と思うエピソードを紹介します。
「今日はお産になりそうな人も1人かな〜」と思い、仕事を始めた私。
無事にお産を介助してまもなく、搬送依頼の電話が。
搬送を受けてまもなく、胎児状態を評価するモニター所見が悪く、緊急帝王切開となりました。
そして、手術中にもう一件搬送依頼が。同様にモニターが悪く、2件続けて緊急帝王切開へ。2件目の手術が終わったのが夕方。
もちろんその後も観察したり、術後のケアをしたり。休憩する間もなく身体もぐったり・・。「具合悪い赤ちゃんだったらどうしよう」という不安や緊張感も高く、心身ともに疲労を感じた1日でした。
この他の日も分娩介助と緊急帝王切開と合わせて1勤務に5件はいる、なんて日もあります。
そんな日は座ることも休憩をとることもまともにできないので、大変でした。
まとめ
いかがでしたか?
助産師のイメージと違ったこと、逆に想像していたことと合っていたことはあったでしょうか。
助産師はきついこと、大変なこともありますが、やりがいはある仕事です。
うまく対処しながら、乗り越えていくことが必要かなと思っています。
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