「施工管理」と聞くと皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?
おそらく多くの方が「きつい・汚い・危険」といういわゆる3Kを想像するのではないでしょうか。
なぜそんなイメージを持つかというと、「施工管理」とインターネットで調べると「やめておけ」という文字が出てきたり、噂等でよくそういう話を聞くと言ったところから悪いイメージを受けやすいと思います。
でも実際はそんなにネガティブなことだけしかないのか?という疑問もあるでしょう。
そこで今回は建築の施工管理を経験してきた私が、本当のところ施工管理はきついのか?を紹介していきます。
(※今回の施工管理は建築の修繕工事に限定してのお話となります。新築の話ではありません。)
建築施工管理の仕事はきついの?楽なの?
建築の施工管理って実際どうなの?という疑問に対する答えですが、施工管理の仕事はどちらかというときついと感じる方が多いです。
きついと思う方が多いとは決して楽だと思うことはないと考えてください。
施工管理はきついというのはよく聞く話です。
では施工管理の仕事はどんなことがあって、どんなところが辛いと感じるのでしょうか。
施工管理と一口に言ってもやることが多岐に渡ります。
皆さんがよく思いつくことから挙げれば、品質管理や安全管理はもちろん、工程管理やお客様対応と様々な人たちと関わり、幅広く作業をしなくてはなりません。
建築施工管理のきついと思うところ
前述した通り、建築の施工管理はきついと述べました。
では、実際にどのような瞬間にきついと感じるのかをみていきましょう。
・長時間労働
施工管理といえば、すぐに出てくる代表的・象徴するワードの一つである「長時間労働」です。
これは字のごとく、単純に働く時間が長いです。
実際どのような働き方なのでしょうか?代表的な1日の流れを記載します。
7時半:現場事務所到着
8時:朝礼
9時?:現場巡視・書類整理・顧客対応
12時:昼休憩
13時:昼礼
14時?:現場巡視・書類整理・顧客対応
17時:職人退場後の現場確認
18時:書類整理・顧客打合せ
20時:帰宅
かなりざっくりですが、朝8時から夜8時まで、休憩1時間とすると11時間労働です。
1日8時間労働とすると毎日3時間の残業です。
基本的には週6日間現場は動いているので、1週間で残業時間が20時間を余裕で達してしまいます。
修繕工事の種類にもよりますが、共同住宅の工事だと夜間工事は基本発生しないので昼夜逆転生活はせずに済みます。
・職人対応
若手の頃は特に感じることですが、自分よりも圧倒的に経験値がある方に毎日指示出しをしなければいけません。
こちらの言っていることを皆が「はい」と言ってくれれば苦労はありません。
各々が好き勝手なことを言う時もあります。
どんなことを言われてもどうにかこうにか話を収めなければなりません。
・お客様対応
修繕・改修工事では利用者や居住者がいる中での工事となります。
新築工事であれば、敷地境界に大きなフェンスを建てる為、音・臭い等による周辺環境への影響を与えることはあると思いますが、関係者以外は現場内に立ち入ることはない為、第三者の方と頻繁にやり取りすることは少ないと思います。
しかし、修繕工事では利用者・居住者一人一人がお客様であるとみなし、迷惑のかからないように考えながら仮説物の設置やトラブルが発生しないような対策を講じなければなりません。
建築施工管理の仕事できつかった体験談
今までで1番きつかったのは、やはり初めて任された現場でした。
修繕・改修工事の現場では余程大きな現場でない限りは基本的には一人で進めていかなければならず、社内の人はおりません。
現場に出れば右を見ても左をみても社外の人しかいないわけです。
もちろん、困ったことがあれば電話をして相談することは出来ますが、現場の細かなところは口だけでは説明できないことも多々あります。
わからないことがあっても日々やることは決まっておりますので、どうにかして指示を出し、進めていくわけですが、ここで大きな壁となるのが経験値の差です。
ある程度のポイントややり方はありますが、その現場現場に合ったやりかたを見つけなければいけないこともあります。
経験値が少ないときは当然先輩社員に言われた通りに指示を出したり、教科書に書いてあるようなことを言ってみたりして、どうにか指示を出します。
しかし、全員が言うことを聞き入れてくれるわけもなく、職人の中には「その方法はできない」「そんな方法はやったことがない」と反論してくる方もいるわけです。
一番困るのが「やってみせて」と言われる時です。
自分よりも圧倒的に知識やスキルが豊富な職人を相手に指示出しをすることが一番きつい経験でした。
建築の施工管理の仕事がきついときの対処法
上記で記載したように、施工管理の仕事はきついです。
そんなにきついのになぜ辞めないのか?と不思議に思う方もいると思います。
そんな方のためにきついときの対処法を2つほど紹介します。
①同業者と飲みに行く
同業者と言ってもメインとなるのは友達や同期です。
これは施工管理特有な対処法ではありませんが、やはりお酒を飲むことで一時的にリフレッシュができます。
また同じ仕事をしているので、互いに共感したり、意見を交換できることもあるのでとてもいい方法の一つです。
②完成後の姿を想像する
やはり建物は他のどんなものと比べても圧倒的に大きいです。
なので、たとえ新築工事でなくとも足場が取れるとすごく達成感が得られます。
先輩社員についていた自分の担当案件でない現場さえ、自分が少しでも関わったということで足場が取れた後はなんともいえない達成感が味わえました。
その時の感情を思い出して頑張ろうと感じます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
建築の施工管理がつらい仕事だということがわかったと思います。
ただ勘違いして欲しくないことは「つらい仕事」=「つまらない仕事、嫌な仕事」ではありません。
やはり誰でも携わることができる仕事ではないという特別感であったり、スケールが大きい分、大きな達成感を感じることが出来るのが醍醐味ではないかな、と感じております。
初めの頃は当然わからないことだらけですが、何年経っても初めから完璧に進めることができるわけではありません。
わからないこともたくさん出てきます。
施工管理の仕事に必要な力は「コミュニケーション力」と「向上心」だと思います。
いかにコミュニケーション力を生かして、職人さんに動いてもらうか、いかにお客様に満足していただけるか。
いつでも、もっといい方法はないか、と考えられる人にはうってつけの職業だと思います。
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