看護師といえば、「なりたい職業」や「人気の職業」といったランキングの上位にランクインしています。
看護師の仕事に興味がある人は、看護師という仕事の魅力、やりがいは何なのか知りたいですよね。
そこで、今回は、大学病院に看護師として6年間勤めていた私の実体験を踏まえて看護師の魅力、やりがいについてお伝えします。
看護師のやりがいを感じるときとは
看護師がやりがいを感じるときについて、私の経験をもとに紹介します。
病院には、病棟や外来の他にも様々な部署がありますが、所属部署に関係なく感じられるやりがいが多いです。
・重症だった患者さんが退院する時
入院した当初は、人工呼吸器や点滴など、多くの医療機器に繋がれて会話すらままならなかった患者さんが、自分の足で元気に帰っていく姿を見た時に、最もやりがいを感じます。
・急変を未然に防ぐ事が出来た時
病院という場所で、最も患者さんと深く関わるのが看護師です。いちばん側にいる存在だからこそ、急変前のわずかな異変に気づき急変を防げた時は、大きな達成感、やりがいを感じます。
・患者さんらしい最期の迎え方をサポート出来た時
病院には残念ながら最期を迎える患者さんもいます。そうした時に、患者さんの死生観や家族と向き合い、最良と思えるケアが出来た時、「看護師をしていてよかった」と思う事が出来ます。
このように、看護師のやりがいは、患者さんの病気と向き合う事はもちろんですが、患者さんらしい病気との向き合い方をサポートする事もできます。学校では学ぶ事ができないような生き方について多く学ぶ事ができるのは、医療職ならではのやりがいです。
看護師の魅力とは
看護師は、専門職として様々なキャリアを選択したり、自分のライフスタイルに応じた働き方ができます。
ここでは、看護師として働いていて私が感じている看護師の魅力をお話します。
・出産後や育児に対してのサポートが充実している
多くの医療機関では、保育園が設置されており、医師、看護師の多くが利用しています。
また、数ヶ月〜数年のブランクがあっても充実した教育を受けられる職場も多く、復職しやすいという魅力もあります。
・キャリアプランの選択肢がたくさんある
看護師は働く場所やライフステージによって職場を選ぶ事ができます。
多くの経験を積みたい場合は大学病院、ワークライフバランスを重視したい場合は、外来がメインのクリニックなどで勤務する事も出来ます。それぞれの場所に特性があり、働く場所に応じてスキルアップができる事も大きな魅力です。
・多様なスキルを身につけられる
病気や治療に関する知識、注射や医療機器の取り扱いや食事の介助の仕方など、多様な知識や技術はもちろん、外来は、様々な部門や地域との連携を取りながら患者さんの年齢、理解力に応じた説明なども必要です。
そのため、コミュニケーション能力や分析力も自然と身につきます。
このように、看護師という職業は、ライフステージによって自分らしい働き方やキャリアの方向を多くの選択肢から選ぶ事ができ、途中で変更することもできます。
チャレンジできる分野も多く、常に自分を高める事ができるという魅力があります。
看護師のやりがいを感じた体験談
これは、私が看護師になって忘れられないエピソードです。
当時、外科病棟で終末期患者さんを受け持っていました。若い男性で、結婚を考えている恋人がいました。
スタッフ側は「年は越せないかも」という共通認識を持っていたため、「ここでどう充実した最期を迎えられるか」を検討した結果、病室で結婚式の衣装を着て写真を撮る事を思いつきました。
患者さんのご両親と病棟スタッフ全員が協力し合い、無事に写真撮影が出来ました。
当日、話を聞いていた病院長がケーキを持って登場したり、雰囲気の違いを察知した患者さんたちが病室までお祝いに来たりと、小さな結婚式のようになりました。
あの時、ご本人、恋人、ご家族はもちろん、同じ空間を共有した全員が笑顔に包まれていました。
結果的に、その患者さんは、翌年の初旬に亡くなりましたが、恋人やご家族がご本人の死後、「やり残したと思ったことがここで出来て、さらに一緒に年越しができました。奇跡のようでした。ここに入院させてよかった。」と話してくださった事は今でも忘れられない思い出として残っています。
まとめ
看護師は、患者さん自身の人生に関わり、さまざまな学びを得たり、人を笑顔にする事ができる専門職です。
業務量の多さや不規則な勤務のため、肉体的な負担やストレスを感じる事もありますが、努力すればその結果として患者さんの健康や笑顔に繋がる魅力的な仕事です。
「やめたい」と思う事もありますが、それを上回るような、やりがいを多く感じることができる職業だと思います。
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