高齢化社会に伴い、老人ホームやデイサービスなどの介護施設の需要が高くなっています。しかし、病棟勤務と比べると給料面が低いことやキャリアアップにあまり繋がらないと感じ、やめたいと考えている看護師さんもいるのではないでしょうか。
私も過去に病棟勤務経験を経てデイサービスで看護師業務をしていました。デイサービスは病棟勤務と違い利用者さんとコミュニケーションを取りながら、運動などのサポートをする仕事になります。のんびりと仕事ができる環境ではありますが、給料面や設備などの面からやめたいなと思うこともありました。
今回は病棟からデイサービス勤務をした看護師の私が、デイサービス看護師をやめたい理由とやめるタイミングについて紹介します。
デイサービスの看護師を辞めたいと思う主な理由
給料が低い
やはりどうしても病棟勤務と比較すると給料面が低い傾向にあります。というのも病棟勤務は夜勤をするため夜勤手当を含まれた収入が見込めますが、デイサービスは夜勤がないためその分収入が減ります。
またデイサービスの特性上看護師より介護士の方が需要が高いため、看護師はパート求人が多くなります。
そのため時給での勤務になり、毎月の収入が勤務した時間と連動していきます。
なるべく多い日数を勤務したいと考えますが、施設によっては曜日で固定休が設定されているところもあるため、勤務数を増やすようなことも出来ません。
私が勤務していたデイサービスは定時で帰れることも多かったので残業で給料が増えることもなく、給料は毎月12万程度でした。
緊急時の対応が自分判断
病院勤務は基本的に医師の指示のもと動くので、患者さんに急変が起こっても医師に指示を仰いだり先輩に報告したりと上の人に相談ができますが、デイサービス勤務は看護師が自分しかいない状態も当たり前にあるため、緊急時に自分で判断する必要があります。
私が勤務している時は、たまたま看護師2名体制で過ごすことが多かったのですが、たまに看護師が自分1人だけで勤務する時は毎回緊張していました。
一度利用者さんが入浴後、低血圧になって倒れたことがあります。
その時は適切な処置ができたため特に大事にはなりませんでしたが、その時に自分の判断で行動しなくてはいけないんだということを改めて痛感しました。
緊急時の対応をする際に設備が十分ではない
これも上記同様緊急時対応の話になります。
例えば病院勤務だったら患者さんが食べ物が喉に詰まった時、すぐ吸引機を使用し吸引をするなどの緊急処置ができたり、救急カートを使用した迅速な対応ができます。
しかしデイサービスにはそこまでの充実した設備がないので、顔色が少し悪くてバイタル測定したらSPO2が正常値より低く測定されても酸素投与などはできません。
すぐ治療や対策につなげることができないので「自分がやったことはあれでよかったのか」と不完全燃焼の状態になります。
デイサービス内で最大限できる適切な処置が、病棟勤務時と比較してギャップがあるのでモヤモヤしていました。
病院勤務と違い、デイサービスは看護師の人数が少ないために今までと違った判断や行動が必要となる場合があります。
私の場合はそのギャップに順応することができず「やめたい」と思う理由につながっていきました。
更に給料面が低いのも、一度病院勤務で十分な給料が手元にある状態での生活に慣れていると物足りなさを感じました。
しかし施設によっては病院勤務より比較的のんびりした勤務が出来るので、ライフワークバランスをとるか給料面を取るかという選択になりそうです。
デイサービス看護師をやめるべきタイミングはいつ?
やめるタイミングはいつでも大丈夫です。
病院勤務は委員会や看護研究など数か月にわたり業務をしなければいけない仕事があったりしますが、デイサービスはその日利用しに来る利用者さんの対応をすることが中心なので、大きな引継ぎなどはありません。
私の場合は勤務しているデイサービスが事業拡大をし、デイサービス以外の業務が始まり勤務場所の変更もあったため退職の相談もしやすかったです。
職場自体の環境が変わるタイミングは退職の相談をしやすい時期かもしれないですね。
デイサービス看護師をやめる前に準備しておくこと
これはどの職種でも言えることですが、やめる前に次の就職先を探しておきましょう。
給料面や勤務場所など考慮した場所を見つけることができれば、スムーズに次の仕事に移ることができます。
デイサービスを通して介護施設の勤務に興味が出てきたのなら、訪問看護や訪問入浴、特別養護老人施設などがあるので、デイサービス以外の色んな施設を検討してみてもいいかもしれません。
また病院での勤務を視野に入れているなら、最新の医療情報について勉強をしておいたほうがいいです。
医療現場の情報はどんどんと更新されていくので、自分が知っているやり方が古い方法であったり誤った方法である場合があります。
病院での勤務を考えているなら自分の知識をアップデートしておくといいかもしれません。
デイサービスの看護師を辞めてよかった?辞めてよかったこと
私の場合は辞めてよかったです。
看護師として病棟勤務をしていたとき、患者さんが急変する場面に偶然居合わせることが多く、その緊迫した空気に心身ともに疲れデイサービスでの仕事を始めました。
上記にも書いたように利用者さんは高齢の方が多いので、入院中の患者さんほどではありませんが急変することが稀にあります。
その際相談できる環境が整っていない、十分な設備がない状態で対応するのは私にとって非常にストレスでした。
そのためデイサービスを辞めその環境から脱したことで現在ストレスなく過ごすことができます。
まとめ
結果的に私はやめてよかったと思っていますが、利用者さんと一緒に塗り絵をしたりお喋りするデイサービスならではの穏やかな時間は、病棟勤務と違ってとても魅力的でもありました。
デイサービス看護師は限られた環境で勤務する仕事になります。
そのため有事の際自分が思う最大限の処置ができなかったり、病棟勤務とは違う業務内容にギャップを感じることも多いです。
デイサービスで働いている現状の環境に悩みがあるなら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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