空港警備員は、いわゆる空港の保安検査員であり旅客機を利用する全ての人の身体、荷物を検査する仕事です。
航空機内に危険物を持ち込ませない為に、旅客だけではなく旅客機の乗務員や地上係員でも検査対象となります。
航空会社の係員を含めてあらゆるお客様への接客も必要です。
責任感が伴う仕事ですので、もちろん向いている人も向いていない人もいるでしょう。
では実際、空港警備員に向いている人はどんな人なのか?逆に、向いていない人は?
地方空港に勤務し、空港警備員として約8年間正社員で働いていた空港保安警備業務1級検定所持の私がご紹介いたします。
空港警備員に向いている人の特徴
航空機の安全を守る一員としての責任感だけでなく、仕事を続ける体力も必要不可欠です。
体力と責任感のある人には向いている仕事だと思います。
・体力と継続力がある人
シフトによっては朝5時台に出勤し19時台や20時台に退勤、飛行機の遅延によってはさらに残業も…という仕事です。
どれだけ仕事に熱意があっても、体力と継続力がない事には長く続きません。
・航空保安への責任感が強い人
空港警備は航空機を用いてのテロ事件やハイジャック事件などを未然に防ぐという仕事です。
それらの防止や抑止に興味のある人にはもちろん向いています。
・接客がそこまで苦ではない人
飛行機に乗るために来る全てのお客様だけでなく、航空会社係員も検査対象のお客様です。
私の同僚にはそこまで接客が得意ではない人もいましたが、何だかんだで仕事をこなせていたので、
接客に苦痛を感じる…という人以外なら、ある程度向いていると思います。
・身体や荷物の検査になんとなく憧れがある
お客様の身体検査や荷物を実際に開けての検査は皆様が想像する以上に日常茶飯事です。
どんなに少なくとも、一つの航空機便に対して一人以上は必ず何らかの検査に引っかかってしまうぐらいです。
所持品や身体の検査を飽きるほど出来ます(笑)
空港警備員はきつい仕事ですので、何よりやる気とモチベーションこそが長く続けるコツです。
空港警備の仕事に対するちょっとした興味や憧れでも、仕事へのモチベーションに繋がる事はあると思います。
体力に自信があって航空業界や保安検査への興味もある、という人は思い切ってやってみるといいかもしれません。
空港警備員に向いていない人の特徴
逆に空港警備員に向いていない人は、他のあらゆる仕事に共通する事も含まれます。
継続力のない人や責任感のない人、モチベーションも無いとなかなか朝早く起きれなくて遅刻しがちになります。
私の体感ですが、1年以内に辞めてしまう人の多くが遅刻回数の多い人でした。
・朝、早く起きれない人
シフトによっては朝5時台に始業します。
そうなると朝起きるのは4時台、通勤に時間がかかる場合は朝3時台に起きる人もいます。
この生活に耐えられない人には向いていないと思います。
・責任感がない人
この場合の責任感は、自分の勤務するポジションが穴抜けしてしまった場合への責任感の事です。
空港警備は配置される人数があらかじめ定められています。
遅刻をしてそこに穴が開くと、代わりの人を急遽呼んで勤務してもらう事に成りかねないのです。
・土日祝日は休みたい人
空港は365日営業です。残念ながらお盆も正月もゴールデンウィークもありません。
逆に、平日休みで空いているお店や観光地をのんびりしたい人には向いている仕事と言えるかもしれません。
・体力がない人
勤務時間の長さに耐えられる体力がないと、仕事に対する意欲がどれだけあっても長続きしません。
空港警備は大変なきつい仕事です。私が8年間仕事をしていた間も辞めてしまう先輩や後輩、同僚をたくさん見てきました。
続かなかった理由は様々でしたが、すぐに辞めてしまう人の特徴としては仕事のきつさと責任感の低さ、きつさの割に給料が…という人もいたと思います。
空港警備員に求められる能力・必要なスキルとは
空港警備員に求められるものは沢山ありますが、仕事として続けていくために必要なものは責任感と研修へのモチベーション、そして何より体力です。
検査のスキルについては一朝一夕で身に付くものではありませんので、ほとんどの場合入社後に時間をかけて研修していきます。
・コミュニケーション能力
お客様への挨拶や検査の説明だけでなく、同僚の検査員同士のコミュニケーションと連携も非常に重要なものです。
検査員同士の連携が上手くいくと、検査もスムーズになりお客様も気持ちよく検査を受けられます。
・持ち込み禁止品や制限品への知識
入社後の研修で必ず勉強すると思いますが、この知識がないとまず空港警備員として話になりません。
私はお客様の流れが途切れて暇になった時や休憩時間などに、日常的に制限品・禁止品リストを眺めて覚えました。
・指先の感覚
空港警備員はお客様の身体や荷物の中を触ります。
持ち込み禁止品や制限品を見つけるには指先の感覚も必要です。
スキルというより自分の能力を研ぎ澄ます感覚に近いかもしれません。
・検査機器への知識
こちらも入社後の研修でしっかりやっていくものですが、携帯型金属探知機やX線検査装置などの機械の特性を理解しないといけません。
空港警備は他の仕事ではあまり使わないような専門的な知識やスキルが沢山必要な仕事です。
必要なスキルや知識については入社した後に時間をかけて研修していく場合はほとんどだと思うので、最低限のコミュニケーション能力があればそれほど心配する事はないと思います。
空港警備員はこんな人におすすめ
勤務時間の長さや覚える事の多さなど大変な部分は多いのですが、やる気と体力さえあればやりがいがあって楽しい仕事です。
事実、大変な中で何十年も勤続する先輩も少なからずいます。
・体力のある人
何度か書いていますが、朝一から夜遅くまでの勤務に耐えられる体力が1番必要かと思います。
体力があって、尚且つ下記の項目への興味がある方にはとてもおすすめな仕事です。
・航空保安への意識が強い人
正義感や保安への意識が強い人にはとても向いています。
旅客機を狙っての爆発物の設置やハイジャックなど卑劣な犯罪は過去多数ありました。
9.11テロ事件でも航空保安への考え方が大きく見直されましたので、そういった事件とその抑止に興味のある方には向いています。
・航空機を見るのが好きな人
空港のつくりによっては検査場からはまったく航空機が見えない場合もあると思いますが、航空機がかなり間近に見えます。
私は航空機を眺めるのが大好きなので、それだけでも仕事を続けられるモチベーションになりました。
・空港の雰囲気が好きな人
旅慣れたビジネスマン、大きなキャリーケースを引きずる海外へと旅立つ人、初めて飛行機に乗るお子様など…
色んな人が訪れる大きな建物の、解放感と空気感が好きな人にはおすすめです。
空港警備員は名の通り、空港で長時間勤務します。
空港という場所そのものや雰囲気が好きであればそれだけで楽しいと思います。
これは空港によるかもしれませんが、休憩中に離着陸する航空機を眺めたりもできます。
まとめ
空港警備員は大変な仕事ですが、向いている人にとってはモチベーションになり得る要素に溢れた環境で仕事ができます。
ただ、向いていない人にとっては責任感ときつさが際立ってしまう辛い仕事とも言えます。
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