臨床検査技師という職業は、医師の指示のもと、血液検査や超音波検査などの検査を病院や検査センターで行う国家資格です。
検査を正しくおこなうために、医師や看護師など他の職種と連携やコミュニケーションを取ったり、患者さんに検査の案内などおこなうと、日常じゃ遭遇しない臨床検査技師ならではのあるある事件に遭遇することがあります。
臨床検査技師として働く過程であるあるな出来事をいくつか紹介していきます。
患者さんとして病院を受診して、裏で何が起きているのか想像しながらお読みいただけると良いでしょう。
臨床検査技師あるあるエピソード集
病院では大きく2種類の検査に分けられます。
血液や尿を扱う「検体検査」と心電図や超音波検査を実施する「生理検査」です。
今回のあるあるエピソードは検体検査室で実際にあったお話です。
採血された量が少なすぎて検査できない
ほぼ毎日のように起きます。
血管が細いとか、採血する時の手技を間違えたなど理由は色々あると思います。
採血と一概に言っても、血液を固まらないようにする抗凝固剤の種類によっては血液との割合が大事なこともあります。
割合を間違えれば結果が変わるだけでなく、血液が固まって使えなくなることもあります。
もちろん少なくても出来る検査は全力でがんばります。
採血室で採血すると昔は看護師とよく間違われた
最近は臨床検査技師が採血していることが認知されてきたため、だいぶ減ってきましたがよく間違われます。
遠心機のスタートボタンを押し忘れて放置
そもそも血液を細胞の成分と液体の成分に分けるために、遠心機に入れます。
遠心機に入れている途中で電話や話しかけられたり、ボタンが固くなって押したつもりが押せていなかったなどあります。
大きい遠心機だと1回で50人分以上の検体を遠心することができます。
これが午前中の外来患者さんの検体だったら…クレームものです。
尿検査の検体が採れない患者さん
人間は何をしでかすか分からないので「は?」と一瞬固まることがあるあるな出来事です。
トイレで長時間頑張った結果、1滴も採れなかったけど、頑張った風を装いたく紙コップの中は水道水だった人。
気持ちよく出しすぎて、採るのを忘れて1滴しかなかった人。
起きたことはしょうがないので、無理に違うものを出そうとせず、一声かけて相談してくだされば大丈夫ですよ。
臨床検査技師での思い出深い体験談
事件が起きたのは、深夜2時ごろ。
深夜の検査業務が落ちついたので、呼び出されるまで仮眠を取るため当直室に向かいました。
そしたら。
誰もいない当直室のベッドに誰か寝ているのではありませんか。
「見てはいけないものを見てしまった!」と思い扉を閉めると、再び扉がゆっくりと開く。
私は足がすくんで動けず、扉はどんどん開いた。
現れたのは白髪まじりのお爺さん。
「自分は幽霊に襲われる…」と思った次の瞬間、お爺さんが口をひらきます。
「ここはどこだい?」
この一言を聞いて我に返ったと同時に頭が混乱し出しました。
そのお爺さんをしばらく観察すると背中に張り紙が。
「見つけた方は〇〇病棟まで連絡ください」
そうです。
お爺さんはボケており、自分の病室に帰れなくなった患者さんでした。
たまたまそこに布団があったので寝ていたのでしょうか。
入院病棟に連絡を取り、迎えにきていただき無事にお部屋に帰っていきました。
病院という場所柄、確かに幽霊が出る噂はたくさんあります。
実際に擬似幽霊体験して思ったのは、おばけや幽霊よりも生身の人間の方が恐ろしいということです。
病院に限らず、子供が夜中冷蔵庫を開けていて食べ物が散乱しているという事象に近いかもしれません。
日常的に起こるあるある、たまに起こるあるある事を経て、人は成長していくのでしょう。
まとめ
今回は臨床検査技師が検体検査中に起こるあるあるを書かせていただきました。
臨床検査技師は病院で様々な検査を担当しているので、自分の持ち場でよく起きる事件があります。
病院だけでなく、検査センターや製薬会社など資格を生かして働いている方も多いです。
身近に臨床検査技師の方がいらっしゃったら、どんなあるあるエピソードがあるか聞いてみてください。
コメント