臨床検査技師は病院の中ではいわゆる縁の下の力持ちと言われています。
そのため業務内容はあまり知られていないこともよくあります。
しかし実際の業務は膨大な検査数を時間に追われながら迅速に正確に検査するのはとても大変なうえに、専門性の高い職業のなので働きながら勉強する事も多い職業です。
辛い事も多い職業ですが魅力が全く無いわけではありません。
私は臨床検査技師として9年ほど働いてきたなかでやりがいを見つけながら仕事をしてきました。
中小病院→大学病院→健診センターと様々な場所で業務を経験してきましたがそれぞれで異なったやりがいや魅力を感じました。
これから私自身が感じた臨床検査技師のやりがい、魅力をお伝えしていこうと思います。
臨床検査技師のやりがいは
仕事をする上でやりがいはとても重要です。
自分の仕事に対するやる気に直結し、仕事が楽しくなればそれは人生を充実させる大事な要素になっていきます。
それでは臨床検査技師にはそのようなやりがいがあるのかご紹介します。
人の命を救ったり健康に貢献出来る
まず、第一にこれだと思います。
臨床検査技師が出す検査データはそのまま診断や治療を決定づける要素として扱われてしまうため、常に良質な検査データを提供しなければなりません。
正確な検査データを提供できれば例えばガン発見率が向上したり、まだ発症していない病気を早期に発見できたりと、間接的に患者の命を救うことに繋がります。
日々の業務が患者の命を救ったり、健康に貢献出来たりと実感できる機会があった時は大きなやりがいを感じられると思います。
色んな認定資格を取得できる
臨床検査技師には働いてから取得できる資格がたくさんあります。
認定超音波検査士、緊急臨床検査士、2級臨床検査士などです。
これらの資格は勉強をしたり、実技試験の練習をしたり、講習会に参加したりしないと受かることはできません。
中には一定数以上の症例を集めて検討しないと受ける事が出来ないものもあります。忙しい業務の合間を縫って行うのはとても大変です。
試験自体も難しく中には何年もかかって合格する場合もあります。
非常に労力を必要としますが無事に合格した際は代え難い嬉しさがあります。
資格を取得する事によって自分の技術が認められる事にもなりますし、それは出世や昇給にも影響していきます。
このような達成感を得られることは仕事へのやる気にも繋がると思います。
また、取れる資格が多いので自分に合ったものに挑戦できるのも魅力的です。
技術が身についたと実感できた時
臨床検査技師には技術を要する仕事がたくさんあります。
例えば超音波検査は学校の授業を受けただけでは患者相手に撮ることは絶対にできません。
職員同士で練習し合ってプローブの当て方、画像の見方などを覚えてきて先輩技師の了承を得てようやく1人立ちする事ができます。
他にも臨床検査技師の業務で言えば採血や顕微鏡での鏡検も練習が必要な業務です。
超音波検査で1人立ちができたり難しい血管の採血ができた時はスポーツなどで何かテクニックを身につけてそれが試合中に上手くできた時の様な達成感を味わう事ができます。
看護師や医師のように患者から直接お礼を言われることは少ないですがカルテを見たり検査データの推移を見たりした時に患者の病気の回復に貢献出来ていると実感できる時はとても嬉しくなります。
それを糧に自分のスキルアップに努める事ができます。
臨床検査技師の魅力
他の仕事にはない臨床検査技師だけの魅力。
そんなものがあれば皆さんも臨床検査技師の職業の素晴らしさに気づくことができるのではないでしょうか。
次は私が感じた臨床検査技師の魅力について紹介していきます。
幅広い業務ができる
臨床検査技師の資格を有してるだけで幅広い分野の仕事を経験する事ができます。
臨床検査技師の仕事は大きく分けて検体検査と生理機能検査があります。
さらに検体検査には血液検査、生化学検査、一般検査、輸血検査、細菌検査、病理検査などがあり、生理機能検査には超音波検査、心電図検査、眼底検査、脳波検査、神経伝導検査、呼吸機能検査などがあります。
ざっと上げただけでもこれほどの検査があります。
もちろん各分野異なった知識や技術が必要なのでそれぞれの分野で勉強や練習が必要です。
分野ごとに勉強するのは大変ですが仕事にマンネリ化する事なくまた、自分の向き不向きで仕事を選ぶこともできます。
私は顕微鏡を扱う仕事が好きだったので一般検査と血液検査が好きでした。
好きなものはやはり勉強も身が入り仕事のスピードもどんどん上がっていきました。
皆さんも自分に合った仕事が見つけられれば楽しく仕事をすることができるのではないでしょうか。
転職に有利
先程紹介させていただきましたが臨床検査技師は様々な資格を取得する事ができます。
それらを有してると転職の際に有利です。
もちろん、臨床検査技師の資格だけでもある程度の数の求人はあるので問題はないのですが、例えば超音波認定検査士の資格を持っていたとします。
転職の際、「超音波認定検査士優遇」などと記載してある求人に応募すれば採用されやすくなるだけではなく、自分の希望する超音波検査の仕事に就く可能性が上がります。
このようにもし追加で資格を持っていればまた同じスキルを活用して即戦力で活躍する事ができるかもしれません。
職場を変えた際も無理なく仕事を続けられるのは魅力の一つではないでしょうか。
常に最前線でなくてもいい
繰り返し、転職の際の話にはなってしまうのですが臨床検査技師は臨床現場だけが職場ではありません。
最初にイメージするのはやはり病院で活躍している臨床検査技師ですが病院以外にも検診センター、外注先の検査会社、製薬会社など臨床以外でも働く事ができます。
私自身も病院で働いた後、現在は検診センターで働いています。
病院と比べて良かったと思うところは命の危機に触れる機会が減ったところ、夜勤が無くなったところ、勉強量が減ったところなどあります。
もちろんその分大変になったところもあって出勤時間が早くなったり、年間を通して閑散期と繁忙期があったりなどします。
私は経験してはいませんが検査センターや製薬会社などにもそれぞれメリット・デメリットがあると思います。
自分のワークライフバランスを考えながら資格を活かしつつ次の場所でも活躍できるのは大きな魅力ではないでしょうか。
私が感じた魅力はフレキシブルに色んな仕事ができるところ。
私が初めて臨床検査技師を目指そうと思った時も飽きたり辛くなったら他のことができそうだと思ったのもきっかけの１つでした。
みなさんには魅力に感じたでしょうか。
臨床検査技師として働いていてやりがいを感じた体験談
私が病院で働いていた時、心電図検査をしていました。患者にとってはその日の心電図は月1回定期的に行う検査でした。
いつもの様に検査室に来てベッドに横になって心電図を撮っていると検査画面の波形には急性心筋梗塞を表す波形。
しかし本人には全く自覚症状はなく意識もはっきりしており私との会話も普通にできていました。
すぐにベッドに安静にさせたまま医師に連絡し、ドクターカーで緊急搬送となりました。
いざ病院を出る頃に段々容態が悪化して意識もなくなり心臓マッサージをされながら搬送されて行きました。
その後、搬送先での処置も無事に終わり再び病院に戻ってきて事なきを得ました。
あの時は私は検査室には1人の状況でとても焦りましたが的確な判断をする事ができて医師にも患者にも感謝され、とても嬉しい気持ちになりました。
また私たちが扱う検査データの取扱いの重要性を再認識し、改めて責任性とやりがいを感じることができました。
臨床検査技師がこんな人に向いている
臨床検査技師になりたいと思っても自分が向いているかどうか心配な人もいると思います。
ぜひ目を通していただき自分に合ってるいるかどうか確認してみてください。
コツコツと頑張れる人
臨床検査技師の仕事は顕微鏡を覗いたりパソコンで検査データをひたすら精査したり単調で同じ作業が続く事が多々あります。
また、日進月歩で進化する医学に対しても働きながら勉強をしたり検査の練習をしたりなどの毎日の努力が大切です。
これらのことをコツコツと頑張れることが重要になってきます。
その分日々の努力がすぐに自分の仕事に反映されるのでそこにやりがいを感じられる人は向いているかもしれません。
裏方で貢献するのが好きな人
臨床検査技師の仕事はなかなか表舞台では見受けられませんが診断や治療は全て臨床検査技師が出す検査結果から導き出されます。
検査結果の精度次第では医療の質の良し悪しにまで影響することもあります。
裏方の仕事のように感じてしまいますが医療の現場においては非常に重要な役割を担っています。
時には検査のプロとして医師に助言をしてより良い治療に繋げていくこともあります。
医療従事者になりたいけど患者と対面するのは苦手で裏方で活躍したいという人にはうってつけの職業です。
手先が器用な人
私自身はどちらかというと不器用なのでそこまで全ての人に当てはまる訳ではないのですが、臨床検査技師の仕事は手先を使う細かい仕事が多いです。
例えば顕微鏡で使う標本をスライドガラスとカバーガラスで作成したり、培地に患者の検体を塗り細菌培養したり、試薬作成や検体希釈の際にマイクロピペットで作業したりなどの作業です。
慣れれば誰でも出来るようにはなりますが手先が器用な人、細かい作業が好きな人はより早く上達する事ができると思います。
あくまで向き不向きの問題なので当てはまらなくても臨床検査技師を目指すことはできます。
臨床検査技師の仕事にもし興味を持ったら是非自分でも色々調べてみてください！
まとめ
いかかでしたか？
医療の現場で裏方ながらも高い専門性を持ち、様々な検査こなしながらチーム医療の一員として活躍できる臨床検査技師。
色々なやりがいや魅力がありましたね。
しかし、私が気付いてない部分も他の人にはやりがいや魅力に感じる事もあるかもしれません。
ぜひ多くの方が臨床検査技師に興味をもってやりがいや魅力を感じてくれればと思います。
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