私は、誰でも一度は見たことのあるキャラクターたちのテーマパークの、オープニングスタッフとして3年間勤務しておりました。
1年ごとの契約更新をする契約社員という雇用形態で、安定して将来の設計が出来る仕事ではありませんでしたが、そこでずっと勤務するというよりは、ここで培った経験を活かして、更に上質のエンターテイメントとホスピタリティを提供している施設のスタッフを目指す、といった考えで勤務している方が多い職場でした。
また、一言にテーマパークスタッフと言っても、最も花形であるキャラクターグリーティングに関わる部門の他にも、運営事務局、場内に点在する店舗の店員、場内清掃員、遊具担当や券売担当など、多部門に渡る様々なスタッフで構成されています。
その中でも私は主に遊具と券売担当として、仕事をしておりました。
お客様がテーマパークに来場した時に、一番最初にお会いし対応する部門ということで、お客様がどういった目的としてテーマパークに来ているのか、また、お客様がこれから抱くそのテーマパークへの第一印象を形作る、重要な役目を持つ業務です。
テーマパークスタッフが向いている人の特徴
明るい性格で元気が良く、体力旺盛で、そして設定されたテーマを演出する一員としての自覚を持つことが出来る方が向いています。
ある意味、演劇の一演者のように、テーマパークの世界の一住人のように、それでいて自然に振る舞うことが出来るスキルが必要です。
・そのキャラクターが好きな人
テーマパークで働くに当たって、そこに居るキャラクターに愛着を持たなければなりません。
ただし、ただ好きなばかりでは無く、どこが好きなのか、どうして好きなのかをしっかりと日々冷静に研究・分析し、言語化出来ることが必要です。
・プライベートをしっかりと持ち、昇華出来る人
テーマパーク、というのは現実の日常生活から切り離された世界です。
日々の喧騒から離れる、もしくは特別な経験を目指してやってくるお客様に、スタッフの日常生活を垣間見せることは、現実に引き戻す行為に他なりません。
自身の精神安定を図る方法をしっかりと持っている人が出来る仕事です。
・手先が器用な人
季節に合わせた施設の模様替えやイベントの準備は、スタッフの手作りで飾りつけることが多く、細かい作業が苦にならない方が向いていると考えられます。
また、私はオープニングスタッフということもあり、その地域ではそのテーマパークに触れること自体が初めて、というお客様が大半でした。
そんなお客様は、私たちスタッフとのやり取りを通してそのテーマとキャラクターに触れ、帰宅した後も、その第一印象を持ち続けます。
長く愛されるテーマパーク、キャラクターとなって貰うためにも、それを支えるスタッフは、上記の適性が必要と考えられます。
テーマパークスタッフが向いてない人の特徴
・体力に自身の無い人
私が経験した遊具担当はもちろん、巡回担当も場内を隈なく歩き回り常に暑さ寒さに曝されます。
また、閉園後バックヤードでの大量の荷物の運び出し作業なども行うため、身体に不安のある方はお勧めしません。
・単純作業に飽きやすい人
入場者プレゼントの検品作業や準備などの漏れが無いかの点検を毎日行うため、日々のルーティンの中にあっても慢性的にならず、常に緊張感を持たなくてはなりません。
・キャラクターをあまり好きで無い人
常にそのテーマやキャラクターたちに囲まれるため、あまり興味の無い人たちにとっては苦痛かもしれません。
・給料に不安のある人
退職金やボーナスなどは無いことが殆どです。
また、地方では手取りが十五万円を切ることも少なく無いため、お金に不安のある人はお勧めしません。
テーマパークスタッフが続かないすぐに辞める人の特徴は
この仕事の先に見据えた、明確な目標が無い人は長続きしないことがほとんどです。
・熱心で無い人
五年を超えると無期契約にはなりますが、基本的に一年ごとの契約であるため、与えられた業務から学べることを学び、磨き続ける努力をしなければ、すぐに契約を切られてしまったり、続けられてもやりがいを感じられなくなってしまいます。
ホテル業界への就職を目指していた同僚は、テーマパークの受付案内業を通して、言葉遣いや対応を学び、また、外国からのお客様への対応として英語の勉強も、終業後自主的に行っていたこともあり、最終的に希望の業種への就職を叶えていました。
テーマパークスタッフに必要なスキルとは
そのテーマパークの住人になりきることが第一です。
その上で、以下のことが必要だと考えられます。
・状況を広く見通すことが出来る
場内は広く、お客様の置かれた状況は目まぐるしく変化します。
トランシーバーなどで行われる情報を適切に処理するスキルが必要となります。
・状況に応じて仕事が出来る
私の勤務していたテーマパークでは、その日によって担当する業務が異なっていました。
どの担当になっても動ける、応用性が必要となります。
テーマパークスタッフはこういった人におすすめ
・応用力を身に付けたい人
常に変化する状況を読み、対処するという力が付きます。
・ホスピタリティを学びたい人
お客様は何を求めているのかを常に考え、それを提供するために考え、実行する力が付きます。
・コミュニケーション能力を上げたい人
常に接客をするので、言葉遣いや返し方を学べます。
そして私の場合は、テーマパークで働いた経験自体が珍しく見られるため、コミュニケーションをする際の話の種として、とても役に立っています。
また、自分がお客様としてテーマパークに行く際も、そのスタッフは何を見て、どう動いて非日常を演出しているのか、という目線で見ることが出来るため、ただテーマを味わうだけでない楽しみ方が出来るのは、とても良い経験となっています。
まとめ
テーマパークで働くには、明るく体力があり、何より自身が楽しむことが出来ることが大切です。
体力に自身の無い方や、契約社員であるからと言って無気力に熱意なく仕事をする方には向いていません。
そのテーマや雰囲気、キャラクターに愛着を持ち、その魅力を誰かに伝えたいと言う想いがあるのなら、これほどの天職は無いと思います。
決して高くはない給料の中で、最高のパフォーマンスを求められるため、非常に理不尽であることも多々ありますが、自身の将来のスキルアップには確実に繋がる経験が出来るので、是非一度、テーマパークスタッフの世界を覗いてみては如何でしょうか。
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